ねぇねぇ、聞いて。
「仁華!何味?」


私は苺を指さして、ミルクを指さす。


「りょーかい。おじさん、苺にミルクかけたやつとブルーハワイ一つ。」


「はいよー。」


お金を出そうとすると律希がまとめて出してくれた。


後で返そう。


「じゃあお好み焼き買いに行くか。仁華大丈夫?」


私が頷くと、お好み焼きの屋台まで歩き出す。


前は人が多いところは嫌いだったけど、今はそんなに嫌いじゃない。


律希がいるからね。


怖くない。


律希はお好み焼き買うって言ってたけど、結局お好み焼きの他に焼き鳥も買っていた。


そんなに食べれるの?と聞くと、


「大丈夫!仁華も食べるから!」


え!?私食べる前提なのー!?


「もちろん!あっ、そろそろ花火始まるし移動しよ。」


両手いっぱいに食べ物を持った律希。


私はその後をついていく。


楽しそうな律希に安心して、


私は律希の抱えていたものに気づかなかった。


早く、


早く、


聞けばよかった。


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