ねぇねぇ、聞いて。
お祭りに行ってからもなんとなく、心配そうにしてるのが分かった。


花火を見ながら、仁華はノートに何があったのかと聞いてきた。


俺は仁華に知られたくなくて、あいつの名前だけ教えた。


今頃調べているだろうか。


でも、名前だけじゃ分かんねぇよな。


分からないならそれはそれでいいんだ。


でも、仁華の事だから明日問い詰められそう。


だから、明日は用事あるって言ったんだけど。


でも、明日じゃ無くてもきっと問い詰められそう。


仁華は、優しすぎるから。


だからこそ、俺のことで心配にならないで欲しい。


夏休みの間だけでも楽しい思い出を作って欲しい。


仁華に気づいて欲しいという思いと、知られたくないという思いが交差する。


俺はベッドにダイブしてそのまま眠りについた。

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