ねぇねぇ、聞いて。
この人が律希のお父さんなの?
違う?


おばあちゃんはその紙を見て小さく息を吐いた。


「・・・・・・仁華。・・・・・・・私が最初にりっちゃんと仲良くして言ったの覚えてる?・・・・・・・私は、何も出来ないけど、仁華なら出来るんじゃないかな?」


私はハッとしてそのまま玄関を飛び出した。


律希の家は知らないけど、もしかしたらいつもの木にいるかもしれない。


私は夢中になって走った。


でも、木に律希はいなかった。


次に海に向かって走った。


でも、ここにもいない。


後は、どこ?


・・・・・・・・・・・山。


ひまわり畑!!


ここから結構距離はあるけど、私はまた走り出した。


息が苦しくなってきたけど、立ち止まらずに走った。


律希、どこ?


家にはきっと・・・・・いないよね?


私は無我夢中で走った。


そして、やっと着いたひまわり畑。


この前来た時と何も変わらない。


すると後ろからガサガサと音がした。


慌てて振り返るとそこには律希の姿。


私はやっと見つけられた嬉しさで律希に抱きついた。




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