ホットケーキ!
小春は一旦、ケーキを作る手を止めると、ボールにサランラップをかぶせた。

そして、別のボールを用意すると卵、ホットケーキミックス、牛乳、ミックスベジタブル、刻んだキャベツを入れて、混ぜた後、ホットプレートで焼いた。

フワッと懐かしい香りがして、

「食べてみな。
今まで気付かなかった、カレの気持ち、わかるかも」

小春がさやかに出した。
それは、澄翠が好んで作る、お好み焼き風ホットケーキ。

「甘っ!
ホットケーキは最初から甘いのに、さらに甘くしてどうすんの!」

文句を言いながらも、食べながら、さやかの目から涙がこぼれた。

「わたし、会って来る!
小春、ありがとう」

さやかは小春にお礼を言うと、慌てて、家を飛び出した。

「あらら…」

小春は笑い、

「がんばれ~♪」

玄関に向かって、手を振ると、先程のボールを取り出して、再びケーキを作り始めた。
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