魔王木村と勇者石川

魔王城の七不思議





深夜零時の魔王の即位式終了後、魔王城の塔の片隅で暗がりに怪しーい水晶玉の光が揺れている。

そこに映ったのはなんとも不気味なニヤニヤ顔。


「おそよー。迷の顔ヤバイー、ニヤケすぎ」

「おはよ~。蛍、そっちもね~」



その後一拍置いて笑いが部屋に溢れた。


魔女の蛍は仲間の迷といつもこのように真夜中に連絡を取り合う。

これが魔王城七不思議の一つ、定期的に夜中零時を過ぎると聞こえる不気味な笑い声の正体だ。


本人は気づいていないが。


ちなみに今夜の話題ももちろん、

「あーっ。そうだ、そうだったぞ!うちの木村、とうとう魔王になっちゃいましたたたっ!」

「まじか~。じゃあ、そっちに石川くん送っちゃうよ~。あっ、そうそう。石川くん今私に黙ってるけど、剣に目覚めてさ~」

「おっけー、おっけー。じゃあさこんなのどうどう?」

「こんなのって~?」
「当ててみー。いっせいのーで!」

「「魔王と勇者~!!」」

もとい、木村と石川の話である。



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