同居人は国民的アイドル
固まった理由は脚が長かったからだけじゃない。
顔が信じられないくらい良すぎたからだけじゃない。
それももちろんそうだけど、それだけじゃなくて。
目の前にいる人物は、数分前に私が待ち受けで見ていたあの人にそっくりだった。
いや、そっくりじゃない。全く同じ。
「…………れ、廉くん?」
その人の名前を呼ぶ私の声が震える。
この人は、私がずっと会いたかった人?
私が大好きな人?
「うん」
松川さんの息子さん─────廉くんが、私の言葉に小さく頷いた。
嘘…………
本物?