同居人は国民的アイドル


その反動で、私の体がまた後ろにぐらりと傾く。




や、やばい、今度こそ落ちるっ!!!




「バッ……バカ、危な……っ」




焦ったような声が聞こえ、思わずといった様子で廉くんが腕を伸ばした。




差し伸べられた腕を思わずぎゅっと握る。
すると。





思わず引っ張ってしまった私のせいで、廉くんの体もぐらりと前へ傾いた。




廉くんが珍しく焦ったような表情になる。




いつも自信満々な感じなのに、こんな顔もするんだ……。




そんなのんきなことを考えていたのもつかの間。




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