* KING *
私はお偉いさんが沢山いる会議室の隅っこに座らされている。

何故座らせるの?意味がわからない。

会議は部署事に報告や今後の予定などの話がされている。

上層部の会議なんて初めての事で、聞いていても 話はわからない事が多すぎる。

うちの部署は最後みたいで、部長がまず話をし始めた。まだこの部の事は 朝の朝礼にも参加しているので、何とかわかるな…と呑気に思っていた。

次に部長がチーフから少し発表があると言い、何故か先輩がこっちを見る。

はい?私に何か関係あるの?と思いながら

「安藤こっちに来て…」

と呼ばれてしまう…おずおずと先輩の方に歩き 横に並ぶ。

「以前から話していました 新ブランド〝COLOR〟の件ですが…イメージモデルが見つかり やっと始動して行きたいと思います。彼女がイメージモデルの安藤杏果さんです。」

///ええ~?

人間ビックリし過ぎると 声さえも出ない…
しかも本人の知らない所で 話が決まってるとか どうなの?あの本当に 今知ったばかりの私なんですが…それに納得も全然できない事態。

「安藤さんは本来パタンナーですが、こちらの新ブランドのモデル兼企画の方にも携ってもらうという事で動きます。以上です。」

会議が終わり 呆然とまだ夢の中にでもいる私に

「おい杏。もう終わったぞ。さ、今から会議室2で打ち合わせをするから 早く来いよ…」

いつもの俺様口調の先輩が普通に話しかける。呼び方だけが昨日の夜と同じで 私には違和感しか感じないし やたら恥ずかしいと思った…



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