* KING *

プリズム

昨日は結局遅くまで作業をし 何とか 今日の会議に見せれるレベルの物が出来上がった。

本社内での会議なので、不測の事態があったとしても 多分先輩がフォローをしてくれると信じている。

朝フロアーに行くと 先輩に上の階の上層部で使われる会議室に連れられた。

「ここで杏は着替えて 今からヘアメイクをして貰うから 用意が終わったら連絡して。」

と先輩は部屋を出て行く。

コンコン…入って来たのは圭さん。

「おはよう杏、会いたかったわ。もう全然連絡してくれないんだから…」

「え~、先輩私の連絡先知ってるくせに酷い。やっぱ鬼だ…」

「アハハ…杏のを私に教えたくなかったのよ…凱人そうはさせないから。フフ///」

圭さんとアドレスの交換を素早くして、私は今日会議の時に見せる為のサンプルを着用する。

この前作成したサンプルは 私にはサイズが合っていなかったので、圭さんが用意していた、先輩の一押しの服。

私が描いたデザイン画とニアリーで よくぞ見つけたな…というデザインだ。

「流石凱人。これ杏にしか似合わないよ。」

「ホントですか?」

「ちゃんと杏が出てる。そしてエロ可愛い。」

「///嬉しい…」

圭さんがメイクを素早く施し ヘアアレンジも器用にして完成した。

鏡を見た私は…

「///これが私?」

「んーエクセレント。杏自信持って、今日は最強、無敵だからね!」

見た事もない私が鏡の前で佇み 自然と笑っている。私、こんな顔も出来るんだ…

25年生きて来て 自分が知らない自分に会った。私…本当に変われる。キラキラと輝く未来が待ってるような そんな期待が持てる瞬間だった…



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