無意確認生命体

……考えれば考えるほど腹が立ってきた。

こいつらのやってることはエロ漫画の再現だ。

頭が悪いにもほどがある。

後先のことなんて何にも考えてない!

こんな奴らに、こんなかたちで、母との誓いを壊されてたまるか!



『――きもちわるい――』



腹が立つ!

お母さんを殺した、「アイツ」と同じ人種に、かける情けは何もない!



『――ほら、これをよくみろよ――』



お母さんが健在だった、あの最後の日。

あの顔。あの思い。

また、あんなことになるのはゴメンだ!

下らない下らない!

こんな下らない獣欲なんかに屈するな!

弾き飛ばしてやるんだ! 絶対に!



私の事情なんて知りもしない柏木は、例の馴れ馴れしい、でもいつもの何倍も吐き気のするにやにや顔で話を続けた。

「近江さ、俺のこと興味ないとかゆってたじゃんか。あれで俺、まじでヘコんだんだよ」

くそ、私が悪いみたいに言うな!

無理矢理言わせたのはそっちだろ馬鹿!

話しながら、柏木は私の席に近づいてくる。

後ろに他四人を引き連れて。

どうやら、榎本・山田の二人は私が逃げないように入り口のところで番をしているらしかった。

なるほど。目の前の五人がオオカミなら、門番二人は犬ってところなんだろう。

つまり、この「親睦会」に参加するのは、眼前に迫る五人だけってワケだ。


自分でそう考えて笑えた。


運動オンチの女ひとりが男五人に囲まれて。

どっちにしろ、多勢に無勢には変わらないってのに。


「でよ、こいつらに話したらさ、"興味ない"ってことは、やっぱコミュニケーションが足りなかったんじゃねぇかって結論になってな。こうやって親睦会開くことにしたんだよ。お前と俺らのッ!」

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