無意確認生命体

部屋へ戻り、着替えて居間に行くと、珍しいものが見られた。

「あれ、おじぃ。おはよう。起きてたの? 早いね。今日はなんか用事あったっけ?」

いつもは昼前まで寝ているこのぐうたら爺さんがこんな時間に起きているのは本当に稀なことだった。

「ぉう!しぃちゃん。おはよぅさん。今日はなぁ、病院行く日ぃなんだよ」

おじぃが元気に答えてくれる。呂律が回っていないような喋り方なのは入れ歯だからだ。


ちなみに「しぃちゃん」というのは私のことである。

私の名前、「雌舞希《しぶき》」から頭文字をとって、おじぃとおばぁはこう呼んでいた。


「あ、そっか……そうだったね。じゃ、おばぁは? まだ寝てるの?」

「んん~、オレが起きたときゃあ、まだ寝とったな」

「ん、わかった。じゃあ、これからご飯支度するから、ちょっと待ってて」

そう言って台所に入る。


朝ご飯はいつも私が作る。

お昼は学校の購買か、学食ですませる。

夕食はおばぁが作ってくれる。

これが私の食生活の基本スタイルだ。

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