無意確認生命体

20.


放課後になって、本当にあの地獄のシゴキから解放されたことを実感し、私はあらためて感動に打ち震えていた。

だがそれと同時に、なんだか寂しいような気持ちも少しあった。

なんだか急に手持ちぶさたになってしまったような、なんとなく物足りないような、そんな気もしたのだった。

なのでせっかくもう部活に行かなくて良くなったというのに、すぐに家へ帰る気になれなかった。

この一週間の間で私の体は、まっすぐ帰宅することを物足りなく感じるように矯正(?)されてしまっていたらしい。


……といっても、テニスはもうホント勘弁だけれど。


さて、どうしようかと少し考えてから、

「そう言えば私は一応園芸部に戻ったことになったんだ」

と言うことを思い出し、少し花壇の様子を見に行くことにしてみた。

そこに当然いるはずのあいつのことなど、深く考えもしないで。

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