今、この瞬間を先生と。
ドアにかけていた手を下ろし、くるりと先生の方へ向き直った。





「先生、誰にも言えないような秘密とかあったりしますか?」





私の言ったことが相当意外だったのか、先生は目を見開いた。



が、返ってきたのは私の問いかけに対する答えではなく、新たな問いかけだった。






「なんでそう思うんだ?」


「…なんとなく、そんな気がしたからです。」






先生は下を向いて黙った。





簡単には話してくれないか…。



まぁ、私も聞いたのはただの興味本位。


Yesか、Noか、さえ分かれば良かったのだ。







でも、先生の反応を見て、確信した。


『絶対何かある』




────質問の答えはYesだ。
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