海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
どう足掻いたって変える事は出来ないし、受け入れるしかなくって。


『もう悪足掻きをしないで、前向きな気持ちになるしかない。』


『目の前に出来た新しい道を、しっかり歩いて行くしかない。』


『自分の想いは、いつかきちんと伝える事が出来る。』


そう、考えるしかないから。



だからこそ、


“やるからには、大崎先生の顔を潰すような事を絶対にしない”と決めた。


そうしないと、人として、すごく最低になってしまうと思ったから。


だからしっかりと、精一杯働こうって思った。


そういう私の姿が、いつか相葉先生に伝わればいいなって期待を込めて。


精一杯やっていく事。


それがこれからの私に出来る、唯一の事じゃないかって思ったんだ。




時間はかかったけれど、そう思う事で私の意識は少しずつ前向きになっていった。



卒業までもう少し。


12月に受けた検定は、珠算2級と簿記3級だけ合格した。


ワープロの1級と英検の準2級は、私にとってハードルが高かったらしく、残念な結果になったけれど、


やるだけの事はやったのだと、とても気持ちはスッキリしている。



後は、残りの学校生活をどう過ごすかだけ。


“別れの時”


その時が来るまで、


思い残す事がないように…。
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