海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
「瑞穂、付き合ってくれてありがとね。」


パソコン教室を出て、歩きながら瑞穂にお礼を言うと、瑞穂はニコニコしながら

「全然だよ!」

と、笑った。


「先生、喜んでくれて良かったじゃん。」

瑞穂が自分の事のように喜びながら、トン!と、いたずらっぽく私に肩をぶつけてきたので、


「ホント良かったよ。瑞穂がいなかったら、結局渡さないで持ち帰ってたかもしれない。」


私は安堵の表情を浮かべながら、隣を歩く瑞穂にもたれかかった。


私って本当にそういうところがある。

好きな人に『渡そう!』と何かを用意をしても、いざとなると怖気づいてしまう。

今までずっとそうだった。

だから中学生の時だって、結局何も出来ずに終わったんだ。


「いつでも付き合ってあげるよ!必要な時には言いなよ。先輩達の事もあるし。」


ちょっとだけ真面目な顔で、瑞穂が言った。


心配してくれている瑞穂の気持ちがちゃんと伝わってくる。


「うん、ありがと…。だけど、先生に先輩達のことを言っちゃった時は本当にビックリしたよ!」


そう言って、私は笑った。
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