海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
『今の自分は、どうしてこんなにも臆病な大人になったのだろう。』


そう感じた途端、高校生の頃の自分がとても逞しく思えた。


過去に戻って、あの頃の自分から少しでもいいからパワーを分けてもらいたい位だった。



残りの期間は約1ヶ月。


このままだったら特に何事もなく、


ある意味、無事に3ヶ月が終わるのだろう。


傷つく事もない。


今更、嫌な印象を残す事もない。


そして、


今度こそ本当のお別れになるんだと思った。




だけど…



『想いを伝えて断られたら?』


『また傷ついた私はどうなるの?』


それを考えただけで、



“死にたい”


そう思った時の自分の記憶が蘇えった。


私に耐えられる自信なんてなくって。


ただ、どん底まで落ちる事に怯えてばかりだった。
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