To be alive again

そこで、CMが入った。
さすが3月、ドラマもクライマックス間近な雰囲気。
きっと来週か再来週辺りに最終回だ、と翠は思った。
ぽふっと頭の上に手を置かれて、翠が上を見上げると、翠の様子を探るような真一郎の視線に捕まった。
翠が座っているのはソファのすぐ前、その丁度真後ろのソファに真一郎が座っていて、翠の身体の両側には、真一郎の脚が降りてきていた。

「これ、面白い?」

「…今、初めて観た」

今やっているドラマで教師と生徒の恋愛ものがあるということは、藍からチラッと聞いていた。

男子生徒と…女性教師だったけれど。

べつにそこまで興味があったわけじゃなかったけれど、藍と話したのが何となく頭に残っていて、何気なくチャンネルを回していた時に手を止めてしまっただけだった。

まさかこんな修羅場から見ることになるとは、翠も思ってもみなかった。
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