君は生徒、愛してはいけない

青山家に戻って晩御飯を食べていると、華が聞いてきた。

「先生のお父さんとお母さんってどんな人?」

「うーん、、普通だよ」

「渉くんのご両親だから、きっと素敵な人よ」

おばあさんはいつになく微笑ましく俺たちを見ている。



「華に会いたいってうるさかった」

「えー!あたしも会いたい!」

「卒業したらな」

「ついてっていいの?」

「卒業したらな。」


俺たちの会話を見て、ふふ、と笑ったおばあさんが言った。


「渉くん、私への挨拶はもうしなくていいからね」


おばあさんはごちそうさま〜と言って楽しそうに風呂に向かっていった。


実は年が開ける前、華が風呂に入っているおばあさんに突然問い詰められた。
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