君は生徒、愛してはいけない
第3章 2学期


夏休みが明けて、新学期がまた始まった。


俺は夏休みの間、毎日夕方仕事終わりにおばあさんが居ない華の家に行って2人で食事をした。

平日の夜は店まで送って、終わる頃に迎えに行った。

おばあさんのお見舞いにもよく行った。

土日には華の気分を晴らそうと、祭りや海に連れて行ったり、哲平を誘ってご飯に行ったりした。



「中村先生ー!」

新学期が始まって、学校の廊下で声をかけて来たのは1組の佐藤 梨花(サトウリカ)だった。



「おう、どした?」

「こないだ、テレビで織田信長暗殺の諸説やってておもしろかったの!
私は豊臣秀吉が黒幕だと思うんだけど先生はどう思う?」


佐藤は日本史が好きみたいで、夏休み中にも学校に来てはよくこんな話をして盛り上がった。


「俺も秀吉黒幕説が有力だと思う!!」


「ふふ、やっぱりそうだよね、
いま平安時代の本読んでるから、またお話しようねっ」


佐藤は嬉しそうにじゃあねっと行って手を振りながら走って行った。

「こら、危ないから廊下走るなよ」


何気無い学校生活がまた始まった。


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