君は生徒、愛してはいけない

おばあさんの退院

金曜日、仕事が少し立て込んで、華とご飯を食べられなかった。

華が拗ねていたので、帰りにアイスを買って持って行った。

華はすぐ機嫌を直した。

大人びた顔からこぼれる子供みたいな笑顔は、何度見ても飽きない。

いつも元気に声をかけてくれる佐藤は、今日は目があっても声をかけてこなかった。

借りた本、早く読まないと。



土曜日、明日おばあさんが帰ってくる。
華と家の中を飾りつけた。

今日は華と買い出しに行く。
明日はハンバーグとケーキを3人で食べる。

帰ろうとすると、華が帰らないでとだだをこねて泣いた。

俺は好きな女をいつも泣かせる。
可愛い妹を。
可愛い生徒を。

でも、歯止めが効かなくなるのが怖くて、華の頭を撫でて帰った。

玄関のドアを閉めると、ついこないだのようにドアの向こうからすすり泣く声が聞こえた。


ごめん、華。


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