君は生徒、愛してはいけない
学校の最寄駅の近くで店を探して、
俺と松本先生は4時間くらい飲んだ。
普段の何気無い話から、今日の佐藤のこと、
松本先生の過去の話、いろいろ話した。
、、華のことは話さなかったが、俺はずいぶんスッキリしたように思えた。
「中村くん、酔っ払って来た?」
「、、少しね」
俺は酒には強い方だが、今日は久しぶりのガス抜きでたくさん飲んでしまった。
「そろそろ帰ろっか、明日も学校だし」
松本先生は酒にかなり強いみたいで、俺と同じペースで飲んでいたのにほぼシラフのままに見えた。
少し男として情けない。
俺は会計を済ませて、松本先生と歩き出した。
「先生、お家どこですか」
「すぐ近くだよ。」
「送って行きますよ」
松本先生はいたずらっ子のような顔で答えた。
「なに、私のこと狙ってんの?」
「違いますよ!女性一人で夜道は危ないから」
ほろ酔いの俺が言っても説得力ないか、と言ってから思った。
「ふふ、中村くんて可愛いよね」
「、、褒め方間違ってますよ」
松本先生は俺をからかうように笑って、じゃあ送ってもらおっかな、と言った。