難攻不落な彼に口説かれたら
今俺がこう言っても、多分彼女は納得しないだろう。

もっと自分に自信を持てばいいのにな。

時間をかけて少しずつ雪乃の心を溶かしていくしかない。

「雪乃の方こそ誰かと予定あるんじゃないの？」

相手はいないと思うのだが、本人の口から聞きたくてあえて聞いてみる。

「ないよ。どうせ恋人いないもん」

雪乃の答えにとりあえずホッとするが、過去形で言わないのが気に入らなかった。

「今はいるよね？もう恋人いないって答えないでよ」

釘を刺すように雪乃に言う。

前言撤回。

時間をかけてと思ったが止めた。

グズグズしてたら雪乃が勝手な思い込みをして俺から離れていきそうだ。

まずは外堀を埋めていこう。

そう思った。
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