難攻不落な彼に口説かれたら
だから、わざと拓海を挑発した。

雪乃に注意しても、奴が怖い狼だとは信じないだろう。

人懐っこい後輩って彼女は思い込んでる。

ならば、俺が彼女を守るまでだ。

「そこは計算済みってか。それにしても、お前が俺のお膳立てにまんまと乗るとはなあ」

古賀さんは、意外そうに呟く。

「最初は無事に家に雪乃を帰すつもりでしたけど、どうしても欲しくなったんですよ。手に入れたからには、もう手放すつもりはありませんから」

古賀さんを見据えてそう宣言すると、彼は嬉しそうに笑った。

「大事にしてやってくれ。お前の目を見てると、近いうちに親族になりそうな気がしてきた。そのうち式に呼ばれそうだな。俺、仲人やってもいいぞ」

「気が早すぎますけど、そういう認識でいいですよ」

そんな言葉を雪乃の身内に言えるのは、俺にとって彼女がそれだけ大事な存在だから。
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