願いごと、ひとつ。
 煉瓦造りの塀の向こうに、真っ白い木造の建物が、確かに建っている。
 遠目では気がつかなかったが、二階建てのその建物は、窓枠もすべて木造りになっていて一見するとまるで、古い木造校舎のようだ。
 鉄格子の門の扉から向かって正面に、玄関ポーチが見えた。

 ――外灯が点いている。

 家の中の明かりは点いていないようだが、人が住んでいるのだろうか……。

 私は思わず、門を押してみた。

 キィーッ、と耳障りな音たてて、扉が開く――。
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