My.doctor…?
「うるさい、うるさい!!黙れ、黙れ!!」



それは俺のセリフだ。
お前が1番うるさい。
静かにしてくれ。


とは言え…どうするか。
今のコイツに何を言っても
逆上するばかりだ。

説得する前に
本当に殺られるかもしれない。



ここまで物分かりの悪い野郎とは思わず、どうやって落ち着かせるか考えていた時だった…。



「やめてくださいッッ!!!」



聞き覚えのある声が
離れた距離から聞こえた。


まさか…

イヤな予感が頭を過りながら
声のする方に顔を向けた。



「咲桜ちゃん…」



震え怯える彼女は
必死に男を見つめていた。


なぜ来たんだ…
どうしてここの場所がわかった?



「ナイフを…降ろしてください。その人は…関係ないから…」


「咲桜ちゃん、やめなさい」


「先生ッ!でもッ」



言うな。
この男に関わるな。


だがしかし
咲桜ちゃんが口走った『先生』の言葉を、男は聞き逃さなかった。



「先生…?彼氏じゃ…ないの?」


「え…?」



バレた。




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