甘え下手の『・・・』
「筧くん、もういいよ…今井さん?」

筧くんを止め私は今井さんに向き合った。

「今井さん、あなたの意見は今後の仕事の参考にさせてもらう。ありがとう。…でもね、自分で言うのもなんだけど、さっきまでお客様、盛況だったのよ?みんなお昼食べてるのかな。あっ、牧野さん、お客様いらしたからお願い!」

体験コーナーを家族連れが覗いていたのでスタッフに頼んだ。

「これからまたお客様来てくれると思うの。手伝ってくれる?」

「嫌です。なんで私が。何その余裕?バカにしないで!」

今井さんは私を睨むと走りさった。私は深呼吸し、

「さっ、また忙しくなりそうです。気を入れ直して頑張りましょう。真由香、橋本くん、手伝ってくれるんでしょ?」

「まっかせなさい!」

頼もしい二人に笑みがこぼれる。

「筧くん、顔。恐いよ?」

まだ硬い表情の筧くんの前にいく。

「私は大丈夫。だからあと半日頑張ろ?お願いします!」

そう言うと筧くんは切なそうに笑ってうなづいた。
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