甘え下手の『・・・』
名前を呼びあったことでまた熱くなる心とからだ。
陸斗の手と唇に翻弄されていく。

「…入りたい…いいか?」

頷くとベッドのしたから銀色の袋をとりだす。いつも用意してあるんだ、なんてなんか複雑な気持ちになっていると、

「アホなこと考えてるだろ?」

とおでこを叩かれた。

「待ってた。って言っただろ?」

「えっ?これも?」

「当たり前だ。…ずっとこうしたかった」

そう言って私の中にゆっくりとはいってきた。その瞬間、足の指先から何かが駆け上がってくる感覚がした。一番奥までたどりつくと、『ヤバい…』と陸斗がもらす。

「恐ろしいくらい馴染んでる……気持ちいぃ…」

眉間にシワを寄せ、息を吐きながら私を見つめる陸斗に体の奥がキュンとする。

「バカ…締めるな…」

『クールな筧くん』しか知らなかった。その彼が今私の上で目元を赤くし、切なそうに耐えている。その姿が私をもっと熱くする。

「陸斗…キスして…」

揺さぶれながら陸斗の顔に手を伸ばすと私の指をくわえる。

「瑞希…可愛い…」

そう言って深いキスをくれた。
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