君の向こうのココロ

想いを…声に

僕は理緒の家のチャイムを鳴らす。



ガチャッ



玄関のドアが恐る恐る開いているようだった。



ちょこんと顔を半分覗かせる理緒。



かわいい…。



「な、なんだぁ。晶かぁ~。」


理緒がホッとして笑っている。


「なんだとはなんだっ。」



僕は息を切らしながら言い返す。



「走ってきたの?お昼寝とばしたからもう二人とも寝ちゃったの。」



「そっか。何も考えないでチャイム鳴らしちゃったよ。」



僕は息を整えながら靴を脱いで、あがる。



「まだ下の階は箱だらけだから、先に上にいっててください。」


「はい。」



僕は軽くお辞儀をして、階段を上がった。


っていうか、2階はトイレと子供部屋と寝室しかないのですが…



子供部屋は二人が寝ているようだし…



寝室で待てばいいのかな。



ま、いっか。



僕は寝室のドアを開ける。



入ってみると意外と狭いもんだなぁ。



アロマが焚いてあって良い香りが部屋中に広がっていた…



安息香だ…



サンダルウッドの。



僕の好きなニオイ。
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