【完】螺旋のように想いを告げて
なくてはならない存在
***
翌朝、俺はすぐに行動を開始した。
「あら、亮ちゃん。ウチに来てくれるなんて何年ぶり?」
咲良のお袋さんが、玄関先で目を丸くする。
俺だって何だか気恥ずかしい。咲良のお袋さんには何度も会っているけど、自宅訪問は久しぶりすぎて緊張する。
「おはようございます」
とにかく挨拶をする。朝早くに来るなんて、迷惑と思ったが我慢出来なかった。
「いつも、迎えに来てくれるから。今日は俺が――」
「まあ、そうだったの!? 来るのがわかってたら、ごはん作ったのに」
まさかの咲良と同じ感覚だ。爆弾おにぎりじゃないだろうな。
「そうだ! お味噌汁のんでいきなさいよ。今日は具沢山よぉ」