【完】螺旋のように想いを告げて
「ところで、パパとなにを話してたの?」
「え。あー。世間話?」
「違う気がする」
「なんで?」
「あんなに嬉しそうなパパ、久しぶりに見たから」
あんなに嬉しそうな?
俺には無表情に見えたけど、嬉しそうな顔をしていたのか。ますます、わからない。
「ねえ、なんの話してたの?」
「秘密だよ」
急に恥ずかしくなった。
むくれた咲良には悪いが、あんなこと二度と言えない。
ただ、この緊張感ある朝は俺の精神を削り取った。
よって、咲良を迎えに来るのは今日が最後だと俺は勝手に決めた。