【完】螺旋のように想いを告げて


「雨宮、咲良知らない?」

「あ、理乃ちゃん」




 理乃ちゃんだ。
 相変わらず金髪ピアスの美人さん。咲良といるとより大人っぽさが増す。けれど、間近だとやはり高校生だ。



 ところで理乃ちゃんの苗字を思い出せない。理乃ちゃんと呼ぶのは失礼かもしれないが、知らないのだから仕方ない。
 それに本人も文句言わないから大丈夫。




「さっきの式で怒られてたから、職員室じゃないか?」

「あー。クッソ」




 最後に舌打ちされたけど、俺は何もしてないはずだ。やはり理乃ちゃんは少し怖い。

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