【完】螺旋のように想いを告げて
episode 6
嵐のような訪問者
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まるで時間の経ち方が違う。
大学は高校と違ってとにかく忙しかった。正直、サークルなんて入っている場合じゃない。
元々、勉強する時の要領が悪い。大学だって余裕で受かったわけじゃない。
特に目的も持たず、資格だけを目当てに取りあえず決めた大学だ。やる気よりも、義務感だけで机に向かっている状態。
「はぁ……こりゃ聞かなきゃわかんねえな」
夏休みが終わり、9月半ばにテストがある。
一応、8月いっぱいで夏休みは終わったのだが、テスト前の休みってことでまだ継続している。
俺は大学へ行くため、急いで身支度を整える。
難問に答えられるのは、友達よりも教授の方だ。