【完】螺旋のように想いを告げて
それが突然、何の連絡もなしに現れた。
何かあったと思うのが、普通の反応だろう。
「なあ、そろそろ話せよ」
そう言うと、やっと咲良はベッドの上に座る。
俺が買ってきたジュースを渡すと、一気に半分まで飲んだ。それ、炭酸なんだけど。
「ごめんね、いきなり押しかけて」
あんまり切なそうに言うから、俺は黙るしかなかった。
「亮ちゃん、電話出てくれないし」
「俺のせいかよ。メールに残せばよかっただろ」
「文字にしたくなかったの。ちゃんと声聞いて、自分で考えたくて」
悪いことしたな。
考えてみれば、最近は何度か電話があった気がする。
出ろと叫んだメッセージが留守電に残っていたこともあった。
咲良にとっては、切羽詰まっていたわけだ。