【完】螺旋のように想いを告げて


 30分近く歩いたところにあるコンビニに入って適当なものを買い、カフェスペースの端に座る。



 自然とため息が出た。
 タバコを忘れてしまったので、仕方なくコーヒーで誤魔化す。



 その時、珍しく俺のスマホが音を奏でる。
 咲良かなと画面を確認すると、違う人物で思わず凝視していた。



 いつもだったら無視していた。
 ただ助けが欲しくて、安心したくて、スマホを耳にあてる。




「もしもし?」

『うわ、電話出たよ! 奇跡かよ!』

「酷い言われようだな」




 祐介が本当に驚いた声で叫ぶ。
 まあ、電話に全く出なかったんだし、驚かれても仕方ない。

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