【完】螺旋のように想いを告げて


「咲良のこと、好きなのか?」

「俺、好きだよ。亮はそういう気持ちないの?」




 ドクンと、俺の心臓が嫌な音を鳴らす。




「聞いてどうするんだよ。好きだって言ったら諦めるのか?」




 裕介は下を向いたまま動かない。
 ずっと悩んでいたのだと思う。諦めようか、自分の気持ちに正直にいくか。



 悩んだ末、俺の言葉が聞きたくなったんだろう。
 でも、そんなことで諦めるなんてどうかしている。いくら親友の裕介だって、俺は許さない。




「好きでも嫌いでも、俺の気持ちなんか関係なしに告白すりゃいいだろ!」

「……なんか、友達関係壊したくない」




 やっと顔を上げた裕介は、自分の気持ちを伝えてきた。



 3人で過ごすようになって、まだ1年ちょっとだ。
 告白したことによって、変わってしまうことが怖いに違いない。同じ立場だったら、俺だって相当悩む。

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