【完】螺旋のように想いを告げて


 咲良の両親はまだ病院だ。
 いろいろとあるみたいで、まだ帰れない。



 手伝えることがあるならと、母さんは咲良の家で動き回っている。



 逆に迷惑なんじゃないかと思ったが、さすが親友同士。お互いの距離はわかっていて、咲良を迎える準備が終わったら引き上げるつもりらしい。




「ここにいても、辛いだけだから。もう帰ろうと思ってる」

「そっか」




 祐介が急に不安な顔つきになる。
 何となく考えていることがわかって、俺は今出来る精一杯の笑顔で首を振る。




「後を追うようなことはしない。約束するよ」

「……それ聞いて安心した」




 こんな状態だというのに、俺の心配してる場合かよ。祐介の方が心配でたまらない。

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