クロネコ童話
ピンクのリボンクロネコ達は、お店の奥にある部屋へ向かいました。

ドアノブは、身長30センチのクロネコ達には遥か上空です。

しかし、心配はいりません。

ぴょん、ぴょん、よいしょとトーテムタワーを組み立てて、四匹目のクロネコが見事にドアノブを回しました。

中は、薄暗い紅蓮の照明に彩られています。

思いのほか広い部屋の中には、白いリボンを巻いたクロネコが、五匹。

中央には、大きな椅子に二匹のクロネコが。

そしてその両脇に、また三匹のクロネコがいました。

「皇帝クロネコ!」

と、Aバッジのクロネコが進み出ます。

「店主がコーヒーを飲みたいって言ってます」

これに、椅子に座る、Ⅳと掘られた金バッジのクロネコが答えます。

「やれやれまたかい。店主は本当に嗜好品が好きなのだね」

「あら、だってカフェのご主人ですもの。好きじゃなくちゃやっていけませんでしょ?」

と、揚げ足を取ったのは隣に座る、Ⅲと掘られた金バッジのクロネコです。
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