私と二人の物語
「私の手術で、助けられずに、何人亡くなったか知っていますか?」

「篠田さん…」

「私の失敗は、人を殺してしまいます」

「篠田さん!」

私は思わず、彼を見ながらその胸に飛び付いた。

「それでも医者をやっています」

彼は、下から見上げる私の視線を少し避けながら言った。

「ごめんなさい、私が悪かったです」

「いえ、あなたを責めているわけじゃありません」

「わかっています。わかっていますけど…」

「だから、してしまったことは仕方ないんです。前を向いて歩いていきませんか?そのうち、その人達にも、別の償いができるかもしれませんし」

そう言って彼は、また優しく笑った。

「篠田さん…」

私は、ゆっくり彼の胸に顔を埋めた。

彼の例えは本気じゃないとはわかっている。

でも、伝えたい気持ちは十分わかった。

だから、しばらく泣かせてもらった。
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