私と二人の物語
最終章
私は図書館に行った帰りに六甲駅に向かって歩いていた。

駅までは坂道を上る。

そして、その坂道が緩やかに右に曲がっていった先に六甲駅がある。

その手前にケーブル下駅行きのバス停があるけど、そこには一台のバスが停車しているのが見えた。

そのバスのエンジンが掛かって、ドアの閉まるブザーの音が聞こえた時、駅からのエスカレーターを降りてくる男性に気が付いた。

その顔を見て私は息を飲んだ。
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