溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~


「前々から思ってたけど、お前彼氏いたくせに男に慣れてないよな」

「わ、悪かったわね……」


ふい、と顔を背けてすぐに後悔する。ああ、我ながらなんて可愛げのない対応なの……。


「別に責めてるわけじゃない。単純に、楽しみなだけだ。俺の手で“女”に変わるお前を見るのが」


妖艶な流し目と体の芯に響く低音ボイスで告げられ、心臓がはちきれんばかりに暴れる。


「な、何言って……!」

「今日は恋人同士だ。……予告も遠慮もしねえ」

「蓮――……っ」


腰を抱いたまま長身をかがめた蓮人が、私の唇をふさいだ。啄むような軽いキスを繰り返した後、あたたかい舌が差し込まれて、私の口内を隅々まで味わうように舐めとる。

ほとんど何の音もしないエレベーターの中に響くのは、キスの濡れた音と、堪らずこぼれる私の嬌声だけ。


「ん、ふ……ぁ」


ダメだ……気持ちよすぎて、何も考えられない。これが今日だけの戯れだってことも、どうでもいくらいに、目の前の蓮人が愛しい――。


「れん、と……」


キスの合間に、何とか彼の名前を呼ぶ。至近距離で視線が絡み、熱い吐息をこぼした彼が「ん?」と私の瞳をのぞき込む。


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