ボクはキミの流星群
そっと目を開けてみると、すぐそばの茂みから煙が上がっているのが見えた。

近づくのは怖くて、だけどなんだか気になって、その場を離れることはできなかった。

「きゃっ!」

その茂みから出てきたのは、全身半透明の見たことのない生き物だった。

向こうも少し驚いたように、じっとわたしを見つめていた。

「な、なに」

日本語が伝わるかなんてわからないのに、出てくる言葉はそれだけだった。つい、夢を見ているんじゃないかと思ってしまう。

そしてゆっくりとわたしの方に歩み寄り、目の前まで来てからわたしを不審な目で見てきた。

さっきまで暗闇でよく見えなかった容姿が、目の前にしてみるとハッキリと見える。

意外と整った顔立ちで、少し人間に近いような顔。

わたしとあまり変わらない身長。

今すぐにでも倒れそうな、ひょろひょろの体。

半透明なせいで全て見えてしまっている臓器。

少し人間にも見えるけれど、やっぱり違う。

「あなたの名前は?」

伝わるわけないってわかってるのに。だけど聞いてしまうんだ。だって伝わりそうな姿をしているから。

わからないけれど、どこかわたしと似ている表情をしている気がした。

「ピロ」

その声も人間とそっくりだった。

扇風機に向かってしゃべった時のような声ではなく、わたしたちの聞いたことのあるような日常的な声だった。

ピロ……

本当の名前なのかな?わたしの言ったこと伝わったのかな?

なんだか嬉しくなってきて、たくさん話したくなってきた。
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