ボクはキミの流星群
取り扱い説明書
「おい」

声をかけられ、自分が寝ていたことに気がついた。

「授業中だぞ」
「すみません」

先生にポンと軽く頭を叩かれ、教室中からクスクスと笑い声が聞こえてきた。

わたしはいつもひとりで、一緒にいてくれる人なんて誰もいなかった。

それは、わたしが友情というものに興味がなかったのもあるけれど。

家ではおばあちゃんが一緒にいてくれるけど、学校ではいつもひとり。

まぁそんな生活にはもう慣れてるけど。

寝ぼけながら手元にあるノートを見ると、相変わらず何も書いていなかった。

しかし、端っこに小さく『ピロの服買う』と書いてあった。わたしこんなこと書いたっけ?

よく覚えてないけど、確かに服を買ってあげなきゃ可哀想だとは思っていた。

だけど勝手に服を与えてもいいのか、少し不安でもあった。

でも体が半透明だからね……

この地球で生きていくのなら、服は必須だよね。うん、そうだ。臓器が丸見えじゃ、大変だよ。

そして、赤ペンで『ピロの服買う』の字を丸で囲った。
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