PLAYTHING!!
なんだろ……。



なんか、



ムカムカする……?



「……大丈夫? 朱羽?」


気が付いたらわたしは、理緒くんから目を逸らして俯いてた。



それを気にして声をかけてくれた美那ちんの、少し困った顔。



「チャンスよ。朱羽」


一人、理緒くんたちを真っ直ぐ見つめたままの香乃子が小さく呟いた。



「チャンス?」



思わず美那ちんと顔を見合わせる。



「浮気現場を目撃して、それをきっかけに別れるのよ」


「なんで?」



淡々と語る香乃子に思わず問いかける。


そしたら、わたしを怪訝そうに香乃子が見た。



「……伊崎と別れたくないの?」



「あっ……」



そうだった……。


わたし、理緒くんと別れたいんだった……。


ついつい、一緒にいる時間が長くなってたから……うっかりしてた。



「とりあえず、アンタが目撃したってことを伊崎にわからせないといけないわね」


香乃子の提案で、わたしたちは理緒くんの視界に入るところまで移動した。



理緒くんは、



隣の彼女と会話してるからこっちにまだ気付いてない。
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