PLAYTHING!!
キミが好き
村田くんに連れられてやってきたのは保健室だった。



教室からここまでの道のりの間、わたしも村田くんも一言だって言葉を交わさなかった。



保健室のドアの前で、



「朱ちゃん」



ドアノブに手をかけようとした村田くんが、わたしを振り返った。



目が合った村田くんは優しく笑って、



「俺を好きになってくれてありがとう」



わたしの一方的で子どもっぽい気持ちに、ありがとうをくれた。



「理緒をよろしくね?」



村田くんの優しい声に、わたしは熱くなった目頭で何度も頷くしか出来なかった。



「泣いたりしたら理緒が心配するよ?」



村田くんに撫でられた頭から、勇気がジワジワ湧いてくる。



「入ろ」



促されて入った保健室の中では、



理緒くんと香乃子の話し声が聞こえてきた。
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