記憶が無くなっても君が好き
Part 1

新学期

新学期。

それは毎年のように訪れる。

って言ってもあと何回かすれば卒業式。

周りの友達は彼氏だのなんだの言ってるけど、

私には縁がない話だからスルーせざるおえない。

なんて思いながら終えるHR

一応進学校のうちの学校。

生徒はそこそこ多い。たぶんマンモス校。

「ねね、美麗」

今話しかけてきたのは近衛結生(このえゆき)。

謎多き人間であり幼馴染み。

「結生は人生楽しそうでいいねー」

「雛乃相変わらず可愛かった!」

私のディスりに近い一言はスルーなのね…。

雛乃って言うのは私の妹の花袋雛乃(かたいひなの)。

恋愛小説とか恋愛ドラマとか…

とにかく恋愛と名のつくものはなんでも好き。

例外もあるらしい。

「それで?用はそれだけ?」

「あ、忘れてた…んとね、ちょっと待ってね」

< 1 / 26 >

この作品をシェア

pagetop