黄金のラドゥール

「皇太子を自室へ。
しばらく部屋に控えておれ。」

国王側近の兵たちが動き、さっと皇太子を取り巻いた。

「なんと、、!!」

「おお、皇太子を拘束されると?!」

「国王陛下、それでは、、!」

「今夜の儀式はどうなるのですか?!」


人々が皇太子と国王に注目している隙に、コウジュンたちは広間の中央から脇へ、窓のない大きな柱の足元に移動していた。
「今のうちにハルを私の部屋へ。」
「そうですね、このまま壁沿いに。」
ちらりと窓の向こうを確認する。
黄金の月はその姿がまた雲に隠されていた。
「今のうちに。」
「行こう。」
頭からマントで覆われたハルに囁く。
ぎゅっとマントの合わせ目を握りしめている。
小さく頷くのがわかった。

動き出した、その時だった。
「コウジュン皇子!」

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