黄金のラドゥール
振り返った先に、一、二歩、ガインから離れ立つハルの姿があった。




コウジュンは目を見張った。






『させない、、

コウジュンを失脚させるだなんて、、』


マントの合わせ目からハルの小さな手がのぞく。
白い腕がすっと伸び、


『絶対に、、させないから!!』


「ハル!!」

マントをぱさりと肩から滑らせ、
再び差し始めた月光に
ハルは勢いよく一歩踏み出した。


「ハル様!」

留めようとしたガインの腕は空を掴んだ。

ハルの身体からキラキラと光があふれるようにこぼれ始める。
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