黄金のラドゥール
想定内
肩から乱雑にマントを剥ぎ取った。
それをソファに投げかけると、コウジュンはそのままバルコニーへ続く窓辺へ寄っていく。

夕闇を映す窓に重なりその表情は暗いように見える。

ユンハもカイルも戻ってから一言も発していない。


ハルは両手を胸の前で握り合わせていた。
顔には不安の色が見て取れる。


ーーうまくいかなかったのよね。
正妃として、認めてもらえなかった、、
これはきっと望んでいなかった結果のはず。
これはきっと想定外のはず。

コウジュンもあんなに苛立って、、








勢いよくカーテンが閉ざされた。


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