嘘つきな恋人
うとうとと眠って起きると、

裕人さんからメッセージが入っていた。

「ゴメン。連絡できなかった。
埋め合わせに今日は美味しいご飯でもどうですか?」と深夜の3時のメッセージ。

私は画面を見つめて電話をかけることにした。

明け方だけど、構わない。

きちんと話し合いたい。2コール目で通話になる。

「美鈴どうした?寝てないのか?」と心配した声がする。

「…ごめんなさい。連絡が取れなくて、急に不安になっちゃって…」

と小さな声で言うと、

「…そうか。そうだよね。
俺って美鈴から連絡あると、直ぐに折り返し、連絡するもんな。
…元気だよ。病気じゃないし…
ごめん。上手く連絡できなかった。
今晩、食事に行かない?」と済まなそうな声を出した。

いつも通りの裕人さんだろうか?
こんな時間に電話をかけてしまったのに迷惑そうじゃなくて少し安心する。

「はい。仕事が終わったら、連絡しますね。
…こんな時間に電話してごめんなさい。」とホッとしたところに、


「先生、まだあ?」と電話の向こうで笑った女の人の声が聞こえる。

「あっ、馬鹿。邪魔するなよ。」と裕人さんの声に

私は思わず、電話を切ってしまう。



イマノコエハダレ?

直ぐに裕人さんからのコールバックがあったけど…

私は静かにスマホの電源を落とした。


誰と一緒にいるの?

知りたくない。


知りたくないよ。


私は枕に顔をうずめ、低く泣き声を出して涙を落とした。

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