君を縛る歌
「分からない...秀兄は多分私の初恋じゃない...」


「えっ、でも近所に住んでたかっこいいお兄さんが好きだって...」

「そうなんだけど...何かが違う...」


「じゃあ朱莉の初恋って誰?」


初恋....とても大事なもののはずだった。ずっと忘れちゃいけない気がしてた



でもその記憶のほとんどは無い


「さぁ...でももう良いよ。なんかどうでもいいや!!私には恋なんて似合わないってことだよ。だいじな初恋すら忘れるんだから。」



「そっか。まぁ初恋は叶わないって言うしね。でも朱莉の初恋、誰か気になるなぁ...」


「そういえばさ舞ちゃんの初恋って誰?」


思えば舞ちゃんの恋バナなんか聞いたことなかった。


こんな状況じゃ無いと聞けないし、からかうつもりで言っただけなのに舞ちゃんの顔は真っ赤になった


「そっ、そんなのどうでも良いじゃん!」


「舞ちゃん顔真っ赤!!いるんだね好きな人!」


舞ちゃんの反応は思ったより素直で可愛かった


でも嫌がることはしたくないのでそれ以上は聞かなかった


すると舞ちゃんは少し真面目な顔で言った



「ねぇ朱莉....何があってもずっと友達でいてくれる??晴人と私と朱莉、3人一緒にいてくれる?」



「そんなの当たり前だよ。ずっと一緒に居よう。」



舞ちゃんは安心したように笑った



「ありがとう...」
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